13歳の少年が『フォートナイト』のプロゲーマーとしてチームに加入。
『フォートナイト』といえば、「教室では遊ばないでね」とゲーム内で警告される程に若年層のゲーマーにも愛されるタイトルだが、まさか13歳のプロゲーマーが誕生すると誰が想像しただろう。
13歳でデビューしたプロゲーマー、Kyle Jackson(選手名:Mongraal)の登場は、幅広い年齢層が支持する『フォートナイト』というタイトルの性質を考慮しても、衝撃と言う他なかった。
13歳といえば、日本で言えば中学1~2年生、イギリスでは中等教育(※)の真っ最中である。そんな年頃にJackson君、いやMongraal選手はeスポーツの舞台に立ったのだ。
登録ユーザー数が2億人を突破するなど、eスポーツ業界で頭角を現す『フォートナイト』のプロシーンで一体何が起きているのか?Mongraal選手とは何者か?
本記事でそれらをご説明しようと思う。
そもそも誰が抜擢したの?
当時13歳だったMongraal選手(現在は14歳)をプロ選手として抜擢したのは「Team Secret」というeスポーツチームだ。
Team Secretは『フォートナイト』のほかにも『Dota 2』『ロケットリーグ』『レインボーシックス シージ』などのタイトルで戦っているチームで、主にヨーロッパで活動を行っている。
Mongraal選手がTeam Secretに参加したのは2018年4月。実はこの時まで、同チームは『フォートナイト』部門を持っていなかった。多額の賞金総額が設定された大会が開催されるようになった現在と違い当時はまだ、そこまでeスポーツとして大きなタイトルではなかったからだ。
チーム参加が報じられた際、アメリカの大手スポーツメディアESPNが行った取材のなかで、Mongraal選手は以下のようなコメントをしている。
なおTeam SecretがMongraal選手をスカウトしたのは、その年齢から来る話題性を狙ったワケではない。単純にプレイが上手い人物に声を掛けたところ、たまたま彼とその仲間たちに行き着いたというのが真相だそうだ。
同チームのCEO、John Yao氏もESPNに対して「彼らから伝えれられるまで、彼(Mongraal選手)が13歳だなんて予想もしていませんでした」とコメントしている。
プロ選手として
Team Secretに加入後、Mongraal選手は『フォートナイト』の様々なeスポーツ大会に出場し、見事な結果を残している。
2018年9月に行われた「POG Tournament」ではデュオ部門とスクワッド部門でそれぞれ1位と2位に入賞。2019年3月末に行われた「Luxe Cup」では、最終的に2位という成績となり、デュオとして参戦していたMitr0選手(eスポーツチームTeam Atlantis所属)と共に賞金3,600ドル(約40万円)を獲得した。
以下の動画は彼の出場した大会のうち、特に話題となったものだ。
『フォートナイト』でのMongraal選手の強みは、なんといっても建築を利用した立ち回りの巧みさだろう。壁や階段などを使って有利なポジション取りや防御を行うのはこのゲームの基本だが、彼はとにかく建築を行う際の状況判断の早さが凄まじい。
また状況が許す限り、とにかくアクティブに攻め続ける姿勢も、彼の戦い方の特徴と言えるだろう。
ちなみにMongraal選手の建築法は、日本の『フォートナイト』界隈でも「モングラール建築」という名称で話題となった。恐らく聞き覚えがある人もいるのではないだろうか?
Mongraal選手はプロ選手として大会に参加するほかにも、eスポーツコーチングサイト「ProGuides」に『フォートナイト』の講座動画を掲載するといった取り組みも行っている。ちなみに同サイトは先日、サイトの運営元にグリーが投資を行ったことが報じられた。