『フェーダ 〜 ジ・エンブレム・オブ・ジャスティス』感想

フェーダ・エンブレムオブジャスティス

やのまん/SRPG/SFC

ストーリー

ミレニアム・ナイトメア
後に千年戦争と呼ばれる戦いは文字通り千年間の長きに渡る泥沼の歴史であった。

始まりこそ反教会派の起こした宗教戦争であったが、
やがて種族間の対立が表面化。
年月を重ねるごとに大義名分は失われ、戦争の為の戦争へと形を変えていく。
かつて美しかったミルドラス=ガルズは荒れ果て、血塗られた大地となった。
しかし戦争勃発から600年あまり過ぎた頃、ある変革が起きる。

突如現れたグルナレイムと称する種族が、古代に封印された兵器『終焉の四賢者』を発動させたのだ。
ヒューマンの本拠地であった大陸北東部は壊滅。以後ファントムゾーンと呼ばれる呪われた土地となる。

これにより膠着状態だった戦況が一変。グルナレイムはドラゴニュートと協定を結び、
ミルドラスにバルフォモーリア帝国を設立する。
戦争に倦み疲れた人々はバルフォモーリアの共和思想と平和のアナウンスを支持。
やがて戦役はヒューマン連合の敗戦と言う形で集結する。

戦争終結後バルフォモーリアは新創世記(グルナレイム歴)元年を発令。
全国に49の自治州と13の統治区が設立された。

人々はこれでようやく平穏を手に入れたと安堵した。
しかし、帝国の政策は統治を名目とした各地の植民地化であった。
またヒューマンを筆頭とした敗戦種族はその戦争責任を問われ、下層種族として過酷な弾圧を受けることとなる。
この事態を憂慮していた思想家アンデラ・バルザークは反帝国運動を起こす。
これがアルカディア開放運動の起源となる。

――――そしてグルナレイム歴三年。
帝国自治区の一つスクーデリア大陸。帝国元老院より派遣されたグルナレイム族のコバルト・アレクセイはここを帝国の階級社会の雛型として下位種族を弾圧する一方で、古代兵器の発掘や人体実験を行なう非道の支配者であった。
彼は治安執行部隊と呼ばれる粛清部隊をたびたび派遣させ、恐怖政治を行なっていた。

その治安執行部隊に所属する一人の兵士。
ブライアン・ステルバートはヒューマンでありながら過去の戦争における功績を認められ、準市民の権利と帝国エリート部隊に所属するという栄誉を預かっていた。
功績とは千年戦争末期の重要拠点ファウストでの最大規模の作戦『オペレーションジェノサイド』成功後唯一の生存者である事、
―――『ファウストの亡霊』という彼自身にとっては忌わしい称号を得た事であった。

治安執行部隊はゲリラ掃討と民間の安全確保が名目であったが、実際には武力による搾取を行なっていた。
ゲリラ狩りと称して民間人を虐殺する現実に耐え切れなくなった彼は
村の少女を助ける為に上官を斬りつけてしまう。

軍法会議にかけられ、死刑を宣告されるブライアン。
死を覚悟する彼の目の前に同僚のアイン・マクドガルが現れ脱走を持ちかける。
アインの部下・ドーラを加えた三人の脱走兵が、やがてこのスクーデリアの運命を大きく変えていく。

長い。

以上がオープニングまでの流れ。取り説と設定資料集の情報を要約したものです。
長いっつーか色々単語が出てきますが、実は別に憶えてなくても支障ないんですけどね。

ポイントはこの世界が多種族世界だということ。多民族、ではありません。文中に出てきたヒューマンとかグルナレイムとかが種族名です。この世界では人間族(ヒューマン)は多種多様な人種のうちの一部に過ぎません。
そしてこれがこのゲームの最大級の魅力です。以下種族一覧。

◆ヒューマン
いわゆるフツーの人間。魔法よりも剣技に長ける。ミレニアムナイトメアの戦争責任により弾圧されてるらしい。
◆エルフ
魔法が使える耳長一族。どちらかというと弾圧される側。
◆セントール
半人半馬。なんか一番人口が多い気がする。支配者側にも多い。
◆アルシデア
草食獣系獣人。回復魔法とか使える。すごく弾圧されてる。オープニングでブライアンが助けたのがアルシデアの少女。
◆ウルフリング/フォックスリング
イヌ科系獣人。ステキ。かっこ良い。
◆レオ/カーカル
ネコ科系獣人。ステキ。かっこ良い。
◆リザードマン
直立トカゲ。
◆ドラゴニュート
ドラゴン系獣人。羽と尻尾がある人とない人がいる。はて…?ほぼ支配者側。
◆クラナス
鳥。羽も手もある。
◆アームドウイング
虫。ちゃんと腕と足合わせて6本ある。触角もある。…なぜか東洋系で忍者だったりする。
◆マシンヘッド
ロボ。種族と言っていいものやら…しかし自立活動ができるし、帝国将軍の座についてる奴も居るし~
◆グルナレイム
謎種族。ヒューマンの突然変異種らしい。一つ目妖怪。
設定資料集に『終焉の四賢者』(なんか核兵器っぽい扱いなのだが…。)の発動によりファントムゾーンで生まれた突然変異、みたいな事書いてあるけど、
取り説では終焉の四賢者を発動させてファントムゾーンを作ったのはグルナレイム族。
って書いてありますが。矛盾しませんか?ちなみに完全支配者側。

他にもガーゴイル(羽のある白トカゲ。生物兵器)とかグリフィス(グリフォン系獣人。4種合体の複合キメラさん)とかいます。

以上を了解したら、楽しいケモノ天国の始まりです。(おいおい)

◆ストーリーと称号システム

脱走兵となったブライアン以下3人はなんだかんだでスクーデリア大陸の独立を目指すアルカディア開放運動に関わる事になります。
そして第3遊撃部隊――少数精鋭のコマンド部隊のリーダーとして革命を成功に導くのです。部隊は最大数20名ですが、内ヒューマンは最大でも主人公含めて5人。ちなみに人間の女子は1名です。まーエルフとかアルシデアは見た目人間っぽいですけどね~それ以外はケモノ・馬・ドラゴン等のうれしたのしい状況になります。私は獣人系大好きですから。お嫌いな方は知りません。
キャラクターデザインは玉木美孝さん。ケモノとモンスターとゴツイ兄貴が魅力的な絵描きです。

さて。このゲームのもう一つの特徴が称号システムです。主人公部隊が戦闘をするたびに評価が下されます。全体の累積によってフェダーイン(ロウ)~バイパー(ニュートラル)~ジェノサイド(カオス)となります。間にも色々名称があります。
この評価によってストーリー事体は特に変化しませんが、仲間になるキャラクターが変わります。例えばロウな主人公にはロウ属性の仲間が付いてきますが、カオスユニットは仲間になりません。その後主人公がカオス属性になったりするとロウ属性キャラは部隊を離反します。そしてエンディングも属性により4種類あります。

属性評価はどーやってされるかと言うと、敵を虐殺するかしないかにかかっています。要するにレベル上げ目的で敵をじゃんじゃん殺してるとあっという間にジェノサイドです。清く正しく行きたいなら殺すのは部隊のリーダーだけ。民間人は助ける。等の行いが肝要です。
でもカオスキャラクター達も面白いですし、ジェノサイドエンドもそれほどバットエンドじゃないので好きにするのが良いかと。
ちなみにどっちつかずのニュートラルが一番マズイです。ロウキャラクターからもカオスキャラクターからも離反される…
ニュートラルキャラクターも居ますから困る事はないですけどね…

◆戦闘システム

戦闘マップをユニットを率いて転戦するタイプです。味方と敵が交互に動きます。
…実を言うとかなり大味です。地形効果~とか武器相性~とか存在しないし!
それにめったな事では死にません。
称号システムのおかげでフェダーイン狙いだとレベル上げが出来ない為、難易度設定がかなり甘いのですな。仮に仲間が倒されても帝国の捕虜になるだけで死なないので、捕虜収容所を襲撃して奪い返せばOKです。
気を付けるのは敵の魔法と必殺技かなあ…ケンプトルーパーのフォアスラストは痛かった…
必殺技のアニメーションはかっこ良いです。でも通常攻撃の時もアニメーションが入るのはめんどいです。

◆キャラクター

前述したようにケモノ系の魅力的なキャラクターが満載です。
メインキャラのアイン・マクドガルさんはウルフリングのナイスな兄貴。ドーラはフォックスリングの強くかっこいい姉御です。どっちも深く考えずに勢いで帝国軍を脱走します。ナイス。
主人公のブライアンは微妙な熱血漢ですが、普段は何を考えてるのかさっぱり…なお方。
戦争は良くない、しかし自分は戦って死ぬのもしょうがない、という感じ。まあ黙ってきっちり仕事をこなすタイプなので嫌いじゃないです。
ところでこの主人公の設定は結構謎です。戦争末期に兵士として志願し、ファウストの戦闘で生還し、戦争終結後は帝国軍所属…ヒューマンは側は敗戦したのですが…まあこの頃にはヒューマン連合軍が不利なのは明らかだったからブライアンは戦争を終わらせる為に帝国に所属したんだっけなあ…ヒューマンでも入れてもらえたんだね…
で。ファウストの戦闘で友人を死なせたのがトラウマになってます。

その友人タスク君はファウストでの敵兵との交戦でブライアン君が死んだと思って逆上、敵兵に突っ込んで行方不明になりました。
実はブライアン君は顔に傷を負って倒れてただけですが…これによりタスクが死んだと思ってました。
でもタスク君は帝国将軍の一人に拾われて助かってます。ロミオとジュリエット心中シーン並みの行き違い。(両方生きてるけど)

そしてその後。タスクもブライアンも同じ帝国軍に所属してるにも関わらず、顔を合わせることなく数年が経過しています。
ブライアンの方は完全にタスクが死んだと思ってたからまあいいとして~タスクの方はどうでしょうね…軍組織が巨大だから全兵士のリストが仮に無いとしても、彼は帝国将軍の直属で忍者兵団のリーダーだから調べようと思えば出来たはず…故郷の恋人のところにも帰らないし…。

タスクは脱走兵となったブライアンの追撃を命じられ、あっさりと承諾します。やっぱり生きてたの知ってたのか?しかも殺すのに躊躇なし。ブライアンいつの間にか嫌われてます。ここらへんの流れは本当に謎。それとも私が忘れただけか?
結局ブライアンとタスクは戦い、タスクは死にます。ホントにあんたら何やってるの…

まあそれはさて置き。どんな理由にしろ戦いに命を燃やし身を投じる様はアツイです。他のキャラクター達もそれぞれの主義主張のもと主人公の下に集います。
ちなみに私が一番好きなキャラクターは羽つき白トカゲのメラネウス君。遺伝子操作で誕生した生物兵器です。決め台詞は『我は戦う為に生まれたり。』…ああ全然主義主張がない(笑)

◆総括

細かい事を考えずにケモノ天国を満喫するゲームです。
てゆーか世界設定や時代背景をやたら作りこんでいるわりには本編で生かしきってないのが残念ですな…
ツッコミを入れてたらキリがないので止めましょう(苦)

フェダーインでもジェノサイドでも、素敵な仲間達が待っています。ケモノキャラ万歳!

追記:一度本文を書いた後に久しぶりに最初からプレイしてみましたが、やっぱ面白いです。戦闘は主人公達が最初から強いからサクサク進むし、全体のテンポもいいし。
ストーリーは微妙に唐突だけど、主人公含む個性的なキャラクター達の言動でフォローが効いてます。
ああ好きだ~♪