『ヴァンダルハーツ〜失われた古代文明〜』あらすじ感想

注:多少展開のネタバレしてます。

ヴァンダルハーツ~失われた古代文明~

コナミ/S.RPG/プレイステーション

1000年もの繁栄を誇った神聖アッシャー王朝は、王侯貴族たちの退廃的な享楽により徐々に腐敗を深めていた。
その中、立ち上がった民衆は賢者アレスの指導により革命を成功させ、議会制を中心とした共和制国家『イシュタリア』が誕生する。しかし、その盟主の座に賢者アレスの姿はなく何処かへと姿を消してしまっていた。

そしてそれより15年後…

タクティクス系シミュレーションRPG。

●部隊のリーダーとして10人くらいのキャラクターを率いて戦場を転戦する
●高低差のあるマップ上で、味方と敵が交互に動いて戦っていく。

基本的なシステムは奇をてらった所がなく、すんなりと遊べます。
ただし、戦闘が

●最初に味方ユニットを全員動かす(もしくは動かさず味方ターン終了)→その後敵ユニットが動く

というルールなので、味方をまずい配置に置くと、その後の敵ターンでめった打ちにされて死亡。となります。敵の攻撃は結構きつい上、弱者を集中攻撃する為3回食らったら確実に死ねます。(苦)
あと、味方ターンで敵を攻撃した時、遠距離攻撃以外だと敵が100%の確立で反撃してくる(味方も敵に攻撃されると反撃する)ため、うかつな攻撃はこっちの死を招きます。

で、戦いで人が死ぬのは世の定め。死ねば血が流れるってことで
このゲーム最大の特徴として名高いのが

大量の血しぶき

敵を切り殺すと血がぶっし~~~~~!!!と噴出します。まるで噴水のごとく。
そして死亡。
…怖いです。こいつ等の体の中には水分しかないのか?っちゅーくらい盛大に噴出します。
は。そーか。だから血が出た後の死体は消えるのか!水分が全部抜けて体が縮むのね!(嘘)

ただし、味方キャラクターはたとえ戦場で討ち死(もちろん血噴水あり)にしても『撤退』扱いで特にペナルティーなく次の戦闘に復帰できます(主役が死んだら戦闘やり直し)…まあいちいち死んでたらすぐに人員不足で全滅しそうだけど。

そしてこの血が吹き出る描写。とにかくこのゲームのあらゆる場面を彩ってくれます。

例:
街の暴徒を鎮圧→主人公たちは暴徒に降伏を進める→武器を捨てて投降→治安部隊が現れて彼らの処刑を宣言→暴徒だった人々画面外に逃げる
…そして画面端から

ぶっし~~~~!(血)

うわあ…。

全体のストーリーは

かつて王制だったこの国は、国の腐敗の中立ち上がった解放軍によって崩壊し、現在は共和制国家として生まれ変わっている。
しかし、その共和制も徐々に内部崩壊と腐敗が広がっており、再び世の中は動乱の時代へと向かっていた。

というもの。オーソドックスなのですが、一度革命によって共和制になった国。というのが珍しいかな…
と思ったら中盤から共和制の中の軍事主義的な人が策略によって大統領となり、その後皇帝を名乗って帝国を築きます。出だしは違ったのに結局よくあるパターンに軌道修正するの?

そして主人公は警備兵の隊長の若もん。
父親が革命戦争時に土壇場で革命軍を裏切った為、裏切り者の息子として多少の引け目を感じている。その反動なのか異様に優等生。
国に忠誠を尽くし、上司で恩人の軍団長を敬愛して悪人だの武器を持った暴徒にも温情を与えるとにかくいい人。
帝国主義に走る国を正そうと再び革命を起こすために動くが、その中でも自分が裏切り者の息子であることに悩む…

なんかいい人過ぎて逆に腹が立ってくるのは私が荒んでるからでしょうか?

彼がいい人で立派で真面目で真っ当な事を口走るのは結構なのですが、
プレイヤーにまったく選択の余地がない
のが不満。
選択肢みたいなのはほとんど出てこない。
ストーリーは完全な一本道だ。
仲間になるキャラクターも勝手に登場して部隊入りするから固定。(二軍は存在しない)
システム的にもレベル上げ出来ない、(戦闘マップは一回クリアしたら終了)
カスタマイズできるのはキャラクターの職業選択ぐらいしかないけど、1キャラクターに二パターンの選択しかない上に職業の有利不利が激しいからコレも選ぶ余地がない…

優等生つーかピュアな主人公が
世界を破滅させるアイテムを人質になった女性との交換を敵から持ちかけられてあっさりと承諾する所では『誰かこいつを止めてやれ!』と(プレイヤーは)叫んだのですが、誰も反対しないし…
そんで本当に人質交換で渡しちゃうの…
もちろん敵は人質を殺す罠を発動させるのはお約束。(でも何とか助けるのもお約束)

主人公に限らずどいつもこいつもピュアで真面目なやつらばっかり。敵ですら策謀をめぐらしつつもその最終目的は俗な所がないのが恐ろしい。

ストーリーに関しては

ある人物に謀反の疑いがかかる→失脚する(殺される)→実は対抗勢力の策謀だった
というパターンを乱用しすぎ。
古代文明とか古代人種とか時空の歪みによるタイムスリップとか主人公の父親の裏切りとか
味付け次第では面白そうなネタをことごとく地味にまとめてしまった印象…
まあそれほど嫌な部分がないのが救いですけど。

戦闘部分は多少バランスが悪い感じ。
戦死にペナルティがないから適当にキャラを使い捨てしながら突っ込んでいけば楽勝です。しかし後半の弓兵と魔法使いが最強すぎ。
射程範囲が反則的に長い弓と攻撃範囲が広い魔法使い…攻撃しても反撃される騎士系は使いにくい。そして弓兵から狙い撃ちされる飛行兵と戦士としても魔法使いとしても中途半端なモンク系は全く使えませんでした。

しかし、全体としては地味だけど面白いゲームでした。
戦闘で撤退者を出さないようにするとすごく難易度が上がってやり応えがあります。
血噴水は一見の価値があるので(笑)シミュレーションRPG好きな方にはオススメです。