『魔法のスター マジカルエミ』のあらすじと必見エピソードまとめ

『魔法のスター マジカルエミ』のストーリーを紹介していきます。まずはあらすじということで、以下に第1話を簡単にまとめてみました。

あらすじ

こてまり台と呼ばれる閑静な住宅街にある一団がやってきました。彼らの名はマジカラット。中森夫妻を中心とする奇術師たちの グループです。たまたま引越しの日が初回公演と重なってしまい、団員たちは家具の運搬に、公演の準備にと大わらわとなって いました。

そこに手伝いにやって来た中森夫妻の孫にあたる香月舞は、偶然、家の中を飛びまわる光球を 目にします。その正体は鏡の精で、自分の姿を見つけた者に魔法を授けると語るのでした。トポと 名乗ったその妖精は、近くにあったモモンガのぬいぐるみに乗り移り、舞と行動をともにします。

さて、シアタービル内にある巨大ステージ、”スペース・ビッグバン”を会場としたマジカラットの初回公演は満員御礼の中で 始まりました。華麗なマジックが次々と披露されて公演は無事に終了…したと思いきや、会場に紛れ込んだトポが大騒動を引き起こし、 ステージは無茶苦茶な状態となってしまうのでした。

事態を収拾するため、舞は魔法を使ってスーパーマジシャンに変身します。彼女の繰り出す圧倒的な大パノラマの前に、観客は 先程の混乱など忘れて見入ってしまうのでした。

「これは売れる!」

たまたまそのステージを見ていたジャパンテレビの敏腕プロデューサー小金井は、突如としてステージ上に現れた謎の美少女 マジシャンをテレビで売り出そうと計画を練るのでした。はてさて、この後のマジカラットはどうなってしまうのでしょうか…。

…と、第1話は以上のような内容で幕を閉じます。この後の展開は予想できると思いますが、つまりは小金井の 要請によってエミはTVに出演するようになり、人気マジシャンとして活躍するようになるわけです。

このあたりの展開は「クリィミーマミ」を思わせるものがあります。しかし、あちらが芸能界を中心に物語をつむいでいった のに対し、「エミ」では芸能界の話が脇道のストーリーとして処理されることが多くなっています。実際、全38話の中でエミの 芸能活動をメインに描いたものは、第4話、第11話、第20話くらいではないでしょうか。

またアイドルといえば必須の持ち歌に関しても、マミが早い段階で複数曲をレコーディングしていたのに、エミは第4話で 「不思議色ハピネス」が登場してからというもの、しばらくはそれだけという状態。第2弾の「南国人魚姫」が登場するのは 第32話で、なんと最終回のわずか6話前という状況でした (ついでに書くと、レコードが発売されていたのかどうかも定か ではありません)。

では何が描かれているのかというと、舞とその家族、マジカラットの面々など、小学生の女の子の目を通した日常や普通の 人々の生活を描いているのです。

というわけですので、「エミ」は芸能界の話と思って見ると肩透かしを食らう可能性があるので、そのあたりは気をつけてください。

必見エピソード

第5話 「雨のたなばたファンタジー」

~あらすじ~

七月。いよいよ七夕が近づいてきたある日、短冊に願い事を書いている舞の姿を見た弟の岬は、自分も願い事を書きたいと 言ってきます。舞や両親はお願い事の内容と尋ねようとするのですが、岬は自分だけの秘密といって誰にも教えないのでした。

ところが、肝心の七夕の日は朝から雨に降られてしまいます。雨が降ると彦星と織姫星が出会えなくなってしまうという 話を聞いた岬は、自分の願い事が叶えてもらえないかもしれないと心配になり、たくさんのテルテル坊主を作って懸命に 祈るのでした。

さて、一方のマジカラットはスペース・ビッグバンで子供向けの公演”七夕ショウ”を行うことになりました。 織姫の意匠を身に付けたエミの華麗なマジックに子供たちは大喜びしますが、雨のことが気になって仕方がない岬だけは、 ショウのことなど上の空という表情をしていました。

そこでエミは魔法によって織姫に変身し、岬の願いをかなえてあげることにしました。喜んだ岬が口にした願い事とは…。

~ちょっと一言二言~

「エミ」流の演出が炸裂するおそらく最初の話が、この第5話ではないでしょうか。何か事件が起こるというわけでもなく、 ただ七夕に雨が降って困ったというだけの話を延々と30分間も描き続けているのです。

なんとも地味なストーリーですが、雨にくすんだ街の様子が岬の心の中と見事なシンクロしており、背景美術の見事さ も相まって、これぞまさしく「エミ」という映像となっています。

第14話 「こてまり台花のステージ」

~あらすじ~

九月。初秋。なんと、舞のワンマンショウが開催されることになりました。普段マジカラットが公演を行っている スペース・ビッグバンの支配人が常に一生懸命な舞の姿を評価し、その厚意によって実現したのです。

ビッグバンでマジカルエミならぬマジカルマイのワンマンショウ開催。その噂はたちまち学校中を駆け巡り、クラスメートたちは 即席の応援団を作ってマジカルマイのショウに駆けつけることを約束するのでした。

ところが、実際にショウの会場となるのはビッグバンではなく、そのビッグバンがあるシアタービルのロビーに設けられた 即席のお立ち台だったのです。そんな事実をクラスメート打ち明けられるわけもなく、悩みを抱えた舞は際限なく落ち込んで しまうのでした。

さて、日は巡ってマジカルマイの初ワンマンショウがやってきました。ところが、その日の舞は朝から体調が優れず、 ついには熱を出して寝込んでしまいます。

ショウに穴を空けるわけにも行かず、昔とった杵柄とやらで、なんと舞の母が代役を務めることになってしまいます。 しかし、舞は自室のベッドで横になっているうちにいつの間にか体調を回復し、自分の初のワンマンショウを母に任せてはおけない とシアタービルへと向かうのでした。

~ちょっと一言二言~

筆者個人の思い込みでしょうが、この第14話こそが「エミ」流演出が最も炸裂しまくっている回 なのではないかと思っています。あらすじだけを見れば、心労で倒れた舞が寝込んでいるうちに心を落ち着けて復活した…とまあ、 それだけの話。ですが、この14話はそんなところが問題なのではありません。

ベッドで横になっている舞、部屋の天井には川面から照り返す陽光がゆらめき、カーテンはやさしく風にそよぐ…。約2分間に わたって、ただひたすらこれらを見せ続けることによって舞の心の変化をなんとなく感じ取らせてしまう演出には、もうシビれ まくります。

ちょっと暴言になるかもしれませんが、このシーンを見てグッと来ないのであれば、そんな人は「エミ」を見なくてかまいません。 そう言い切れるくらい、それくらい味わい深い名シーンなのですから。

第22話 「からっと秋風心もよう」

~あらすじ~

十一月。晩秋。進はマジカラットの公演で単純なミスを犯してしまい、そのせいでショウは大失敗に終わってしまいました。 団長にこっぴどく叱られた進に対し、周りの仲間は大したことではないと声をかけて励まします。しかし、本当は人一倍ナイーブな 進はトコトン落ち込んでしまい、マジカラットを辞めたいと口にするのでした。

そしてある日、本当に進は居候している団長の家から出て行ってしまいます。その日を境に、ヤング・マジカラットの仲間は 何をやっても上手くいかず、悶々とした生活が続きました。ついに、団長はマジカラットの解散を考えるまでになります。

しかし、行く当てもなく方々を歩き回った進は、その中で気持ちを整理してマジカラットへと戻ってきました。こうして、 また以前と同じマジカラットの朝がやってきたのでした。

~ちょっと一言二言~

これまた「エミ」らしく、なんとも地味なことこの上ない話。なんせ、失敗して落ち込んでいた男性が復活した、と本当に 一言だけであらすじが紹介できてしまえるような物語なのですから。

しかし、その過程をねちっこく、本当にしつこいまでに描くことによって、なんとも奇妙な味わいのある作品に仕上がって いるのです。ちょっとした失敗から来る気落ち、それは大したことじゃないと本人も分かっているのですが上手く立ち直るキッカケが なかなか見出せない…。そんな悶々とした気持ちを進が野口雨情の「シャボン玉」の歌詞を思い出せないことに引っ掛けており、 この演出は本当に見事なものだと感心してしまいます。

第24話 「鈴の音よもう一度」

~あらすじ~

幼い頃のあの夏の日、僕は一人の少女に出会った。ピンクのワンピースに麦藁帽子姿が眩しい少女だった。帰省で遊びにきた というその少女は、祖母に教えられた草イチゴを探しているのだという。今日、実家に帰らなくてはならないから、その前に一度 見ておきたいらしい。

もう季節はずれだから見つからないだろう。それでも、哀しげな少女の顔を見ていたらいてもたってもいられず、いつの間にか 僕は少女の手をとって一緒に草イチゴを探して回った。そして西の空が茜色に染まる頃、ようやく僕たちは土手の下で草イチゴを 見つけたのだった。

去り行く少女は、何度も何度も感謝の言葉を投げかけてきた。それが照れくさくて目をそむけたけど、 そう、あれはやはり僕の初恋だったのかもしれない…。

夢を見ていた。その日、なぜかジャパンテレビの名物プロデューサー小金井は子供の頃の夢を見た。初恋の夢。 ”妙子”という名の少女が持っていた鈴は、今でも彼の宝物だった。だが、その日を境に、小さい頃から肌身離さず持っていた 鈴からは音が失われてしまったのだった。

ある日、自分の受け持つ番組の子役オーディションに参加した小金井は、そこで”妙子”の面影を残す少女に出会うのだった。 もしかすると少女の母親は”妙子”なのかもしれない。しかし、本当は自分の思い違いなのかもしれないと思い悩むのだった。

そんな小金井の姿を見た舞はエミのマジックショウに少女と母親を招待し、その中であの夏の一日を再現してみせるのだった。 その中で幼い日の記憶に浸る小金井と少女の母親。そう、やはり彼女は”妙子”なのであった。

そして、いつの間にか鈴にあの音色が戻ってきていた…。

~ちょっと一言二言~

「エミ」としては珍しくメロドラマな雰囲気のある作品ですが、それでも派手な装飾があるわけではなく、しんみりとした 味わいのある話に仕上がっているのは「エミ」ならでは、とでも言ったところでしょうか。単純にストーリーテリングの上手さ だけで判断するならば、全38話の中で一番の内容なのではないかと思われます。

第36話 「北風にひとりぼっち」
第37話 「ためらいの季節」
第38話 「さよなら夢色マジシャン」

~あらすじ~

二月。バレンタインデー。その日、小金井はマジカラットの面々にある企画を話していました。マジック界の振興のため、若手 マジシャンを対象にしたマジックの祭典、エミリー賞を開催することが決定したのです。

むろん小金井はエミのことが念頭にあったわけですが、その話を聞いたヤング・マジカラットのメンバーも参加を決め、その日から 彼らの猛特訓が始まるのでした。

そして始まったエミリー賞。ヤング・マジカラットの3人は練習の成果を発揮し、見事に審査員特別賞の栄誉を受けます。 一方、エミは当然のように大賞を獲得します。でも、そのために自分は何かをしたのか。魔法の力によって手に入れた賞に、 エミ(=舞)は何の感慨も抱けないのでした…。

エミリー賞以来、舞は悶々とした日々を過ごしていました。

そんなある日、国分寺が伝説のマジシャン、エミリー・ハウエルの姿を納めたフィルムを手にマジカラットへやってきました。 すっと憧れの存在であったエミリー、その姿を見れば
何かきっかけがつかめるかもしれないと舞は食い入るように映像を見つめます。しかし、そこに映し出されたのは舞の 予想だにしなかった事実でした。

希代の天才マジシャン、エミリー・ハウエルも幼い頃はマジックの下手な少女にすぎなかった。それでも、彼女は血の滲むような 努力によって一流の技を身につけていったのでした。最初から天才の人間などいはしない。それは、あのエミリーですら例外では なかったのです。

その日から、舞は真剣にマジックに取り組もうと決意します。しかし、今の舞には初歩中の初歩であるボールマジックですら 満足に行うことができなかったのです。

イラついた舞はエミに変身してボールマジックに挑みます。当然のようにマジックは成功しますが、その表情は曇ったままでした。 彼女は呟きます。「舞でやる方が面白い」と。

何日も何日も努力を続けた末、ついに舞はボールマジックを成功させるのでした。大はしゃぎした舞は、何年かかるか分からないけど、 このまま行けばエミリーに追いつけるかもしれないと夢想するのでした。

しかし、その思いは同時にあることも意味していました。”エミにならなくても”努力すればエミリーに追いつけるのかもしれない。 そのことに気付いた舞は、トポに魔法を返そうと考えるのでした。

マジカルエミのエミリー賞受賞記念公演、それを舞はエミとしての最後の舞台と決めました。その前夜、トポは舞に、魔法は返さ なくても好きなときにだけ使えばすむことじゃないのかと言います。ところが、その誘いを舞はキッパリと断るのでした。それを 聞いたトポは
哀しそうでもあり、しかしまた力強い舞の言葉に喜んでいるようでもありました。

二月二十八日。小金井と将に意味ありげな別れの言葉を告げた後、エミは最後のマジックショウに向かいます。そして、彼女は 自らのマジックによって人々の前から消えてしまうのでした。

ちょうどその頃、エミの控え室からもトポの姿が消えていました。舞に何の別れの言葉も残さずに…。

~ちょっと一言二言~

ということで「エミ」の最終3話です。最初の項でも書きましたが、努力せずに手に入れた結果などは何の意味も無いと 魔法を完全否定するストーリーは、明らかに魔女っ子アニメとしては反則技です。ですが、それに至るまでの舞の心境の 変化をを3話にわたって執拗に追いかけているおかげで、むしろ当然の帰結として受け取ることができるのではないかと 思われます(映像的には、中森家の庭に咲いたスミレがポイント)。

といいますか、あれこれ書いても「エミ」の場合は意味無いような気がします。とにかく見てみること。はっきり言って、 この3話は泣けますんで。

その他「エミ」の豆知識

~変身バンクシーン~

「エミ」の変身バンクシーンは、TPOにあわせて(?)数種類のものが用意されています。基本となるのは普段服のもので、 第20話までは夏服、第23話以降は冬服となります。この両者の違いは、袖の長さとソックスの長さ(冬服の方が少しだけ長い)、 そして冬服ではソックスにボンボンが二つくっついています。

それとは別に、第1話と第21話のみで披露された特殊バージョンとでも言うべき変身シーンも存在しています。前者では マジカラットのコスチュームで変身、後者ではファンの間で伝説となっているブルマ姿での変身が登場しています。

~電柱のない風景~

「エミ」の舞台となる”こてまり台”は明らかに日本の街でありますが、家屋などのデザインには西洋風のものが 取り入れられています。これはどうやら、スタッフが”こてまり台”に無国籍な雰囲気を求めた結果に生まれたもの ということのようです。

そして画面をよくよく見てみると…そう、電柱が一つも描かれていないのです。「エミ」を見て街の描写に何か 違和感を覚えたという人は、おそらくこれが原因ではないでしょうか?

~モモンガのぬいぐるみ~

「エミ」における最大の疑問点。それは、なぜ誰もトポを怪しまないのということでしょう。

「マミ」のネガ&ポジ、「ペルシャ」のシンバは、まだ猫の変種としてごまかせるかもしれません。ところが それらと違い、トポはモモンガの”ぬいぐるみ”なのです。なぜ、ぬいぐるみが動いても驚かないのか?

で、理由ですが…そんなもんありません。おしまい。

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