ケンに敗北を喫した時に言われたこの一言が、 アレンのその後の格闘人生を大きく変えている。 元々は「井の中の蛙 大海を知らず」で、「井蛙 大海を知らず」とも言う。 「狭い世界に閉じこもって、広い世界があることを知らない。」 という意味と、 さらに「狭い見識にとらわれ大局的な判断のできない。」 と例えとして使われ、中国の故事に由来する。 当然、ことわざというものは、そのまま直訳したところで意味は通じない。 アメリカでもこの言葉が訳されて一般に知られるものならば、 なんの問題も無いが、この事を踏まえるとケンが実際に何と言ったかが わからなくなる。アレンが日本のことわざを知る由ほどに日本語堪能であれば、 日本語で「井の中の蛙」と発言したと推測でき、 または「Frog in a well It isn’t knowing about an Ocean.」とでも 直訳した英語で話したかもしれない。 または英語で「He that stays in tha valley shall never get over the hill. (谷に留まる者は、丘を越えることは出来ない)」や 「He who is in hell knows not what heaven is.(地獄に居る者は、天国を知らない)」 など同じ意味の英語のことわざを使ったのかもしれない。 いずれにしても、あの戦いの後の一言の影には、 意外と文系なやりとりがあったのである。